3大メガバンクがブロックチェーンではない何かの実証実験をしている
みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループという三大メガバンクが参加したブロックチェーン実証実験の報告書が公開されました。
システム構成としては、トランザクションを承認するコアノードは信頼できる中立的な機関が担い、各銀行は承認機能を持たないノードでトランザクションの生成およびデータの参照のみを行う、というものです。
実験内容は、銀行間で振込を行うというもので、既存の決済システムとの連携・データ秘匿性など現状問題視されている部分は全てオミットでスループットとデータ完全性を見るだけ、という非常にシンプルな構成となっています。
先日の日本取引所グループが出した報告書と比べるとどうしても物足りなさを感じてしまいますが、一点非常に気になる記述を見つけました。
p.11
c. ハードウェア購入費
従来技術では冗長化構成やバックアップセンタ設置により高稼働率を実現しているが、ブロックチェーン技術ではその特性上、これらの措置を施さずに高稼働率を期待できる。また、1 つのシステムで集中的に処理を行う従来技術に対して、複数システムで分散的に処理を行うブロックチェーン技術では、ハードウェアの低スペック化が期待できる。
高可用性は良いとして、ブロックチェーンで負荷分散???
ブロックチェーンというのは、同じデータのコピーを全ノードが持ち、全ノードがそれぞれ検証する、という富豪的な仕組みによってロバスト性を上げるものだと思っていました。負荷分散はブロックチェーンが苦手なものの筆頭のはずで、集中的に処理を行う従来技術よりもハードウェア面で低コストが期待できるというのは考えにくいです。彼らはブロックチェーンではない別の何かを検証していた可能性があります。
ただ私もブロックチェーンについては素人なので、解釈を間違えているのかもしれません。この部分の記述について、どう解釈すれば良いのかわかる方がいましたらぜひコメントを頂きたいです。